記事内容が重なっている個所がありますが、タイプミスではありません、念のため。

 

十勝日報     昭和48年(1973年)5月20日の記事
   
ことしも"テント村"

ドンチャン騒ぎは排除      カニ族に無料開放

 帯広を訪れるカニ族のために帯広市では今年も帯広駅近くにテントを張り
無料簡易宿泊施設を設ける計画だ。

 リュックを背負ったカニ族が駅の待合室や屋外で寝袋い入って仮眠している姿は
観光地ならどこでも見かける光景。帯広駅も例にもれず、観光シーズンの七月から
八月にかけては連日のこと。ところが帯広駅の場合は列車の通過しない午前零時から
三時まで旅行者を外に出してしまうとあって、駅前でのゴロ寝が目立ったため、
帯広市が二年前から観光シーズンに限って帯広駅前交番裏にテント張りの簡単な
宿泊施設を設けた。

 もちろん誰でも自由に泊れ、宿泊料はいらない。初めて設けたころから
「こんなに親切なのは帯広だけ」「思いがけない施設」とカニ族のあいだになかなか
好評で、昨年は三十人用の大テントを前年の一張りから二張りにふやし
七月一日から九月二十五日まで設けた結果およそ千五百人の利用があった。

 しかし、問題がなかったわけではなく、夜中にドンチャン騒ぎをして何回か
付近住民から苦情が寄せられ、関係者をガッカリさせた。今年の計画はまだ具体的に
決まっていないが、設置場所を従来の帯広駅前交番裏から多少ずらし、昨年と同じ
七月一日から九月二十五日ごろまで開設する予定。ただ、昨年のようにドンチャン騒ぎ
が起きて他の宿泊者に迷惑がかかってはたいへんと、帯広市では「警察や鉄道公安室
にも協力をお願いしたい」(桜井正青少年課長)と語っている。

 

 

十勝日報     昭和48年(1973年)7月1日の記事
 
ことしもカニ族の宿

市職員らがテント張り

 帯広を訪れるカニ族のために―と帯広市、帯広地区労は三十日、帯広駅前交番裏
に無料簡易宿泊所を開設した。

 観光シーズンともなると、リュックを背負ったカニ族が駅の待合室や屋外で寝袋に
入って仮眠している姿はどこでもよく見かける光景。帯広駅も例にもれず、
七月から八月にかけては連日のこと。ところが帯広駅の場合は、列車の通過しない
午前零時半から同三時まで旅行者を外に出してしまうとあって、駅前でのゴロ寝が
見立ち見かねた市、地区労が二年前から観光シーズンに限ってこの宿泊所を
設けており、カニ族のあいだで「こんなに親切なのは帯広だけ」「思いがけない施設」
となかなか好評。

 この日は午前十時過ぎから桜井市青少年課長、吉田地区労議長ら関係者十人が
出て、二十三人用のテント二張りを設営し、夕方オープンした。
今年の設置期間は九月二十日までで、カニ族に喜ばれそう。ただ、昨年は
ドンチャン騒ぎが起きて付近住民の苦情が多かったため、桜井青少年課長は
「警察や鉄道公安室にも協力をお願いしたい」と語っている。