十勝日報     昭和51年(1976年)6月25日の記事
   
畳の寄贈50枚も   帯広駅東 昨年は二千八百人利用

 

 道内を旅行するリュックサックを背負った若者たち、いわゆるカニ族の宿として
その名を全国的に広げ、帯広の名物として定着した「カニの家」が今年も二十六日
から帯広駅東側にオープンする。

 「カニの家」は六年前、帯広地区労(吉田勇治議長)が、カニ族が駅前などで
ゴロ寝するのを見かね、帯広市にテントを寄贈したのが始まりで、以来毎年開設。
今では旅行者の簡易宿泊施設として全国的に有名になっている。しかし、人気の
上昇とともに施設、とくにテントの中に敷く畳の傷みが激しく、今年はテント設営を
前に、帯広地区労が、市民に畳の寄贈を呼びかけたところ、学校や寮を新築する
人たちから次々と畳の寄贈があり、二十枚必要なところ五十枚も集まり、地区労では
うれしい悲鳴をあげている。

 約四十人を収容できるカニの家だが、昨年は二千八百人のカニ族が利用している。
今年の設置は、例年より五日遅いが、カニ族の訪れもいよいよ本番に入り、
利用が期待されている。