十勝民報     昭和55年(1980年)10月2日の記事

 

テントの左手が日通の倉庫
右奥が喫茶「さんのう」

その間に「帯広信金」が見えます。
「帯広信金」は現在(2003年)も
同じ場所にあります。

      コメント:カニの家OB会

カニさん冬ごもり 「カニの家」撤収

 帯広の夏の風物ともなった帯広駅東側の「カニの家」が、先月二十七日、
六月初めからの設営期間を終え、その取り壊しが行われた。

 今年で十年目を迎えた「カニの家」は、冷夏だった7・8月も自転車や
オートバイにまたがった真っ黒な若者達が切れ目なく訪れ、六月から
九月までの四ヶ月間で約二千人が利用していった。

 この日は午前九時過ぎから作業が開始され、設営者の帯広地区労のほか
市青少年課、喫茶「さんのう」マスター、参納弘義さん、また今年最後の一夜を
過ごした旅行者の若者など約一五人が畳十枚分のテント二張りを手際よく
取り壊したいった。

 テント、鉄パイプの支柱、床板などは来年もまた使えるが、若者達の汗を
吸い込んだ畳は、中古で敷いたとはいえ、さすがにひと夏で"お役目ご苦労"となった。

 最近の若者は横長リュックのカニ族から、縦長にパイプのリュックで背負う
エビ族に変わりつつあるようで、移動も鉄道から自転車やオートバイ、車に
よるところが大きいようだ。

 また、一方ではホテルに宿泊して豪華な食事、往復は飛行機を利用するといった
若者の姿も、駅前周辺のホテルで見られ、旅も様々な楽しみかたに変わって
来ているようだ。